原著
胃癌患者における血清糖蛋白ならびにCEA
丸本 多, 森田 耕一郎, 中原 泰生, 江里 健輔, 毛利 平
山口大学医学部第1外科
胃癌101例について術前に6種類の血清糖蛋白値を測定し,胃癌組織学的進展度および術前carcinoembryonic antigen(CEA)値との関係を検討した.α1-acid glycoplotein,ceruloplasmin,α1-antitrypsin,haptoglobin(Hp)は胃癌が進展するにつれ高値を,逆にα2-macroglobulinは低値となったが,α2-HS glyocoploteinと進展度との関係は明らかでなかった.血清糖蛋白値とCEA値との関係はHp以外に有意の相関を認めなかった.以上より,術前に血清糖蛋白値を測定することは胃癌進展度の予測を可能にする.また胃癌患者ではCEA値が比較的低値であることより,CEA値に加え血清糖蛋白値を同時に測定することは,胃癌進展度の予測ならびに患者の予後を知る上で,さらに有用となる.
索引用語
血清糖蛋白, CEA, 胃癌組織学的進展度
日消外会誌 15: 1843-1848, 1982
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