原著
術中胆管内庄および胆管内流量測定の意義―乳頭機能の評価と乳頭形成術適応について―
園山 輝久, 木村 研志, 寺田 信國, 河合 隆寛, 野崎 昭彦, 松本 仁志, 弘中 武1), 栗岡 英明1), 山谷 和則1), 桐山 藤重郎1), 松本 学1), 橋本 勇1), 角田 冨士男2), 沖野 功次2)
滋賀県伊香病院外科, 京都府立医科大学第2外科1), 滋賀医科大学第1外科2)
胆石症症例に対し定圧流量を施行した47例,定流内圧測定を施行した44例について,乳頭機能および乳頭形成術適応について検討した.定圧流量10 ml/min未満を乳頭形成術適応とし,胆嚢結石群は平均49.1 ml/min,胆管結石群100.2 ml/min,乳頭形成群6.4 ml/minを示した.乳頭形成群が定流内圧測定において明らかに異常値を示したのは,灌流圧と回復時間でそれぞれ平均59.5 cmH2O,45.2秒であった.さらに,薬物負荷による流量・圧変化をみる事により,器質的のみならず機能的な病変の把握も可能で,従来の乳頭形成術適応の判定基準より的確であることが示唆された.特に,定圧流量,灌流圧および回復時間が重要な因子であると思われる.
索引用語
胆管内圧測定(定流内圧測定), 胆管内流量測定(定圧流量測定), 乳頭機能, 乳頭形成術適応
日消外会誌 15: 1855-1864, 1982
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