進行舌根部癌に対する術式について―新らしい到達経路と胃管再建法―

亀井　秀雄, 杉本　一好, 寺部　啓介, 三浦　啓多, 梅田　哲正, 小林　文博, 近藤　達平

名古屋大学医学部第2外科

　進行舌根部癌3症例（T₃N₃M₀，T₃N₁M₀，T₃N₂M₀）に対し新らしい到達法と合併切除および挙上胃管による再建法を試みた．この術式の特長とする点は下顎骨は温存し，顎下部舌下筋群を切離しつつ舌根部へ到達する経路を採るので両側頚部郭清後喉頭を含め原発巣をen blocに切除できること，安全断端は十分に得られること，非定型的切除断端の修復が簡単で一期的手術操作で終了し得ることにある．したがって次の治療計画が早期に開始できるので補助療法の効果も十分期待できる．本術式ではen blecに合併切除を行うため郭清度，根治性も高く外科療法を最終的救命手段とする場合でも操作は比較的容易で今後有力な手術術式となり得ると考えられる．

索引用語
舌根部癌, 舌根部癌手術, 食道抜去術

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