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第16巻 第3号 1983年3月 [目次] [全文 ( PDF 941KB)]
宿題報告

食道癌の集学的治療に関する研究

杉町 圭蔵

九州大学第2外科

 教室では食道癌遠隔成績の向上のために,一連の集学的研究を重ねてきたので,その具体的な方法と成績について述べる.
 (1)安全な食道再建術の確立:巾4 cmの大弯側胃管を,漿膜・筋層と粘膜・粘膜下層とを別々に縫合して作成する.また,bypass手術においてはdelayed anatomosisが安全である.
 (2)有効な合併療法の開発:全身的な癌化学療法は,n(+)症例に対しては無効であるので,経リンパ節的制癌剤投与法,BLM-Spongel法,イオン導入法,高温・化学・照射療法などにより,再発防止にみるべき成果をあげている.
 (3)食道癌悪性度予知法の模索:癌細胞のDNAパターン分析は食道癌の悪性度の予知に有用であり,また,予後の判定にも役立つものである.

索引用語
食道癌, 集学的治療, 食道再建術, 合併療法, DNAパターン

日消外会誌 16: 515-524, 1983

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