進行胆嚢癌の拡大手術

中村　達, 飛鋪　修二, 阪口　周吉

浜松医科大学第2外科

　4年3カ月間にstage III，IVの胆嚢癌18例を経験した．このうち6例に切除術を行い，その内訳は右肝三区域切除を全例に，肝外胆管切除5例，門脈切除再建3例，膵頭十二指腸切除併施2例および1，2群リンパ節郭清を全例に行った．その結果切除例の平均生存14.2ヵ月（最長2年3ヵ月生），非切除例5.4ヵ月と有意差（p＜0.05）を認めた．術死は1例もない．
　我々は肝に直接浸潤を伴うstage III，IVの胆嚢癌の標準術式は右肝三区域切除兼肝外胆管切除，第1・2群リンパ節を郭清することと考えている．膵および十二指腸直接浸潤例は手術適応を厳しく選択することにより延命可能である．切除可能な門脈浸潤例は積極的に切除再建を行う方がよい．

索引用語
胆嚢癌, 肝切除, 門脈切除

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