原著
総胆管結石症に対する治療法の検討―胆道内圧の推移および遠隔成績よリ―
川田 崇雄, 竹島 徹, 岡村 隆夫, 深尾 立, 尾崎 梓, 高瀬 靖広, 更科 広実, 名越 和夫, 石川 詔雄, 小野 陸, 岩崎 洋治
筑波大学臨床医学系外科
過去4年2ヵ月間の全胆道結石症197例の予後調査を行い,また一部の症例の胆道内圧・肝機能などの推移を検討した.遺残・再発結石は8例(4.1%)にみられたものの,いずれも術後の内視鏡操作にて摘出しえた.Tチューブより測定した術後の胆道内圧は,術中に比べ有意に下降していた.術前に拡張を認めた胆管径は遠隔時に有意に縮小しており,また血清総蛋白,GOT,GPT,Al-P.なども遠隔時に著明な改善がみられた.さらに,体重の推移・社会復帰状況などより胆道結石症の遠隔成績は,ほぼ良好であった.これらより,総胆管結石症に対し,結石嵌頓例などを除き,乳頭形成術などの付加手術を行わない我々の治療方針は妥当と考えられた.
索引用語
総胆管結石症, 乳頭形成術, 胆道内圧
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