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第16巻 第3号 1983年3月 [目次] [全文 ( PDF 566KB)]
原著

術中輸血のNK活性ならびにリンパ球幼若化反応に及ぼす影響

石神 博昭, 藤本 茂, 橘川 征夫, 宮崎 勝, 雨宮 邦彦, 大山 欣昭, 呉 正信, 遠藤 文夫, セレスタ R.D., 志村 賢範, 高橋 修, 奥井 勝二

千葉大学第1外科

 消化器癌症例16例の術中および術直後における輸血がNatural killer活性(NK活性)およびリンパ球幼若化反応にどのような影響を与えるかを調べた.上記の患者より末梢血をヘパリン採血し,これよりリンパ球を分離し,NK活性の測定,PHA-LP反応およびConA-LP反応を行った.輸血施行群8例(1925±1707 ml)の術後3週におけるNK活性値は術前値に比べ有意高値を示した.一方,輸血末施行群8例の術後2日におけるNK活性値は術前値に比べ有意低値を示した.
 また,輸血施行群と末施行群の術前後の各時期におけるNK活性値の間では術前で輸血末施行群が有意高値を示したが,その他の各時期では有意差は見られなかった.輸血施行群のPHA-LP反応は術後1週,2週および3週において術前値に比べ有意低下を見た.輸血未施行群では術後2週および3週において術前値に比べ有意低下が見られた.つぎに,輸血の有無による比較では,輸血未施行群が術後1週においてのみ有意高値を示した.ConA-LP反応でもほぼ同様の傾向が見られた.NK活性とPHA-LPおよびConA-LP反応との間には術前後を通じて有意な相関は見られなかった.一方,PHA-LPとConA-LP反応間には輸血施行群,未施行群とも術前後を通じ有意相関が見られた.
 以上から考えて,NK活性,リンパ球幼若化反応は術後の諸因子,とくに大量輸血により大きな影響を受けると考えられるため,担癌体術後の免疫能評価にはこの事実を充分考慮に入れる必要があると思われた.

索引用語
ナチュラルキラー活性, リンパ球幼若化反応

日消外会誌 16: 618-623, 1983

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