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第16巻 第4号 1983年4月 [目次] [全文 ( PDF 482KB)]
原著

乳頭部癌に対する十二指腸乳頭切除術

橋口 文智, 片岡 順三, 中村 亮, 長崎 雄二, 藤井 康広, 島田 明, 坂元 龍, 中村 浩一

東京慈恵会医科大学第3分院外科

 乳頭部腫瘍11例(癌9例,良性2例)を検討し,乳頭切除術の適応について考察した.肉眼型では腫瘤露出型1,非露出型2,腫瘤潰瘍型3,潰瘍腫瘤型2,潰瘍型1であり腫瘍長径は0.6~5.0 cmであった.Stage別ではI:4,II:3,III:1,IV:1であった.手術は膵頭十二指腸切除7(癌6,良性1)乳頭切除3(癌2,良性1),膵全摘1で直死は2例であった.耐術例の予後は生存3例では14~44ヵ月で死亡例の生存期間は11~60ヵ月であった.Czernyの経十二指腸的乳頭切除術はPanc,D,NおよびWの諸因子についてみて治癒切除の可能性は極めて低く,その適応は本領域の比較的小さな良性腫瘍もしくは乳頭部癌でも極めて限局型と確診しえたものに限られよう.

索引用語
乳頭部癌, 乳頭部腫瘍, 乳頭切除術

日消外会誌 16: 692-696, 1983

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