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第16巻 第4号 1983年4月 [目次] [全文 ( PDF 605KB)]
原著

慢性膵炎および膵癌患者における血中CEA値の変化率―治療効果との相関について―

石川 治, 松井 征雄, 大東 弘明, 佐々木 洋, 今岡 真義, 岩永 剛, 竜田 正晴, 森井 健, 北村 次男

大阪府立成人病センター外科, 内科

 慢性膵炎および膵癌患者で血中CEA値を連続測定し,その経時的変化を1ヵ月当りの変化率として表わし,その間における治療内容や効果との相関を検討した.まず慢性膵炎例では平均変化率は-3%/月であったが,膵癌例では無治療の場合高値を示し,特に癌の進行度とはよく相関した.膵癌切除例では術後CEA値は減少したが,特に+50%/月以下の変化率を示したものの予後は比較的良好であった.切除不能膵癌では化学療法を施行して,変化率が-20%/月以下の場合には制癌効果が認められたが,逆に+50%/月以上の場合には効果は全く認められなかった.以上より膵癌患者をfollow upしていく上で,CEA変化率は治療効果を示す良い指標となるものと考えられた.

索引用語
膵癌, 慢性膵炎, Carcinoembryonic antigen(CEA)

日消外会誌 16: 697-702, 1983

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