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第16巻 第5号 1983年5月 [目次] [全文 ( PDF 675KB)]
原著

滑脱型食道裂孔ヘルニアにおける食道内圧測定の診断的意義

渡辺 正敏, 籏福 哲彦, 石田 薫, 金森 裕, 近藤 宗廉, 斉藤 功, 金 直樹, 森 昌造

岩手医大第1外科

 滑脱型食道裂孔ヘルニア33例の食道内圧所見を検討した.HPZ(high pressure zone)の2峰性は21例(63.6%),長さの延長は16例(48.5%),圧低下は5例(15.2%)にみられ,この3所見のうち少なくとも1つ以上みられたものは33例中26例(78.2%)であった.新たな所見である呼吸相変換点から胃側のHPZの長さの短縮は33例中11例(33.3%)にみられ,これを加えた4所見のうち少なくとも1つ以上ものは33例中30例(90.9%)であった.4所見共なかった3例は食道裂孔からの滑脱の長さがすべて3 cm以下であった.以上より,本症に対する食道内圧測定は逆流に対する機能評価に加え,今回はその9割がたに診断が可能であるという有用性を確認した.

索引用語
滑脱型食道裂孔ヘルニア, 食道内圧測定, HPZ(high pressure zone), HPZの2峰性

日消外会誌 16: 811-817, 1983

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