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第16巻 第5号 1983年5月 [目次] [全文 ( PDF 663KB)]
原著

胸部食道癌姑息切除症例の検討

平山 克, 西平 哲郎, 栗谷 義樹, 北村 道彦, 大森 典夫, 豊田 統夫, 小関 和士, 蔵本 純一, 葛西 森夫

東北大学第2外科

 過去18年間の胸部食道癌切除症例401例中,姑息切除となった55症例について検討を行った.遠隔成績は1生率23.6%,2生率10.9%,3生率5.9%,4生率2.3%,5生率0%で極めて不良であった.姑息となった理由では他臓器直接浸潤が41例75%と最も多く,癌の遺残したa3臓器では気管・気管支と大動脈が最多であった.予後因子をみると,切除断端癌遺残例と他臓器直接浸潤例に比較的長期生存例が多くみられ,さらに姑息切除症例においてもn因子が予後を規定する重要な因子であることが判明した.また,術後照射に明らかな延命効果を認めたが,n(+)症例ではその有効性に限界があり,条件が許せば強力な免疫化学療法の併用が必要と思われた.

索引用語
胸部食道癌, 食道癌の姑息切除, 食道癌術後合併療法, 食道癌の遠隔成績

日消外会誌 16: 818-824, 1983

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