原著
実験的閉塞性黄疸における糖負荷時間脈血インシュリン変動とそのhepatic extractionの経時的変化
小林 衞, 武藤 正樹1), 鬼頭 文彦, 新明 紘一郎, 呉 宏幸, 宮原 研一, 阿部 哲夫, 土屋 周二2), 嶋田 紘3)
国立横浜病院外科1), 横浜市大第2外科2), 福井医大第1外科3)
雑種成犬の総胆管結紮による黄疸イヌ16頭について,ブドウ糖投与時の門脈血,末梢血インシュリン変動とそのhepatic extractionを調べた.黄疸1週イヌではブドウ糖投与直後の門脈血インシュリン値は高かったが,そのhepatic extractionは変らなかった.黄疸2週イヌでは門脈血インシュリン上昇は遷延化し,そのhepatic extractionは亢進していた.黄疸3週イヌでは門脈血のインシュリン値は著しく低く,そのhepatic extractionは軽度亢進していた.すなわち総胆管結紮3週後には肝の代償能は限界に近づいていた.肝の代償能からみると,第1期(総胆管結紮後~2週)―肝代償期,第2期(2~3週)―移行期,第3期(3週以降)―肝非代償期に分類され,3週目がcritical pointであると思われた.
索引用語
閉塞性黄疸, 門脈血インシュリン, インシュリンのhepatic extraction, 肝(非)代償期, 閉塞性黄疸のcritical point
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