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第16巻 第5号 1983年5月 [目次] [全文 ( PDF 595KB)]
原著

傍十二指腸乳頭部憩室を伴う胆石症の手術々式の検討

原 和人, 篠田 雅幸, 矢島 謙志, 安田 清平

石川勤労者医療協会城北病院外科

 症状を有する傍十二指腸乳頭部憩室15例について検討した.胆嚢結石で当院初回胆摘のみの8例中3例に総胆管結石再発,2例に胆摘後症候群を認め,結石の有しない2例(Lemmel症候群)の内,胆摘のみの1例は経過不良であった.その他,他院初回胆摘例で総胆管結石再手術例2例,胆摘後症候群1例を経験した.憩室はいずれも10 mm以上で,結石はほとんどがビリルビン石灰石であり,憩室との関連が考えられた.したがって,10 mm以上の憩室を有する胆石症では,胆摘のみでは術後高率に胆石の再発を来し,また,胆摘後症候群の原因ともなり,憩室に対する処置が必要である.私たちは初回手術3例,再手術5例に乳頭形成術を行い,経過良好である.

索引用語
胆石症, 再発結石, 傍十二指腸乳頭部憩室, レンメル症候群, 乳頭形成術

日消外会誌 16: 885-890, 1983

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