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第16巻 第5号 1983年5月 [目次] [全文 ( PDF 457KB)]
原著

大腸癌における血清CEA上昇因子の分析―組織CEA濃度ならびにCEAの局在との関係

小島 治, 藤田 佳宏, 栗本 貴志, 谷奥 卓郎, 王 昭崇, 北川 直樹, 上原 泰夫, 間島 孝, 池田 栄人, 西岡 文三, 間島 進

京都府立医科大学第1外科学教室

 血清CEAは腫瘍マーカーとして優れたものであり,わが国でも広く利用している.しかし,最も陽性率の高い大腸癌でもその診断的価値は余り高くない.よって本論文では大腸癌の血清CEA上昇因子の分析をおこなった.
 方法:(1)50例の大腸癌患者の血清CEA値と癌組織CEA濃度をロシュ法にて定量した.(2)酵素抗体法で癌組織内CEAの局在を検討し,血清CEA値と比較した.
 結果:(1)血清CEA値は腫瘍量の増大と共に上昇したが,組織CEA濃度は共に上昇しなかった.(2)血清CEA値と組織CEA濃度は共に左半結腸癌で最高であった.(3)癌の病期を考慮すると血清CEA陽性率と組織CEA濃度陽性率および組織CEAの局在型式との間に相関が認められた.

索引用語
大腸癌血清CEA上昇因子, 大腸癌組織CEA濃度, 癌組織内のCEAの局在

日消外会誌 16: 911-915, 1983

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