原著
食道癌術後遠隔成績に関する臨床病理学的研究―とくにm・sm癌と進行癌の対比―
新井 裕二
杏林大学第2外科(指導:鍋谷欣市教授)
食道m・sm癌として著者らの行った全国集計例366例(教室例7例を含む)と進行癌として教室例88例を対象として,種々の因子別に遠隔成績を分析検討した.結果はm・sm癌,進行癌のいずれにおいても,遠隔成績を左右する最も有力な共通予後因子として,1)性別,2)血管侵襲が考えられ,女性で血管侵襲の無いものが優れていた.次に遠隔成績に影響を及ぼす共通因子として,1)X線型,2)内視鏡型,3)癌腫の長径,4)癌腫の長径と横径の差,5)深達度,6)リンパ管侵襲が考えられ,表在型で,長径が短く,深達度が浅く,リンパ管侵襲の無いものが優れていた.
索引用語
食道癌術後遠隔成績, 早期食道癌, 表在食道癌, 進行食道癌, 食道癌の予後因子
日消外会誌 16: 1291-1301, 1983
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