原著
胃粘膜下腫瘍38例の検討
栗山 洋*, 宮本 徳廣, 藤本 直樹, 前浦 義市, 小川 道雄, 藤本 二郎, 東 弘, 神前 五郎
大阪大学医学部第2外科(*現箕面市立病院外科)
当科における17年間(1963年~1979年)の胃粘膜下腫瘍38例について,年齢・性,診断,部位,治療,予後について検討した.内訳は悪性腫瘍23例(リンパ肉腫8例,細網細胞肉腫8例,平滑筋肉腫7例)と良性腫瘍15例(平滑筋腫7例,嚢胞2例,反応性リンパ性増殖症,神経鞘腫,脂肪腫,線維腫,結核腫,異所膵各1例)である.悪性リンパ腫は診断困難で,胃全体を占める大きい腫瘍例が約1/3あり,リンパ節転移陽性は60%で,その郭清により予後は期待出来る.平滑筋肉腫の半数以上は体上部にあり,43%が肝転移陽性で予後は不良だが,化学療法が奏効する症例もみられた.平滑筋腫はおおむね予後良好であるが詳細なfollow upが必要である.
索引用語
胃粘膜下腫瘍, 胃悪性リンパ腫, 胃平滑筋肉腫
日消外会誌 16: 1307-1312, 1983
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