原著
経皮経肝的門脈造影(PTP)にて証明した門脈圧亢進症における副血行路の検討
三好 敦生, 植木 敏幸, 間野 正衛, 桑原 義明, 浦口 憲一郎, 西田 博之, 内藤 寿則, 中山 陽城, 中山 和道, 古賀 道弘
久留米大学第2外科
109例のPTPを行い,そのうちの67例の門脈圧亢進症の副血行路について.形態,血行動態,臨床的意義に検討を加えた.形態学的には求肝性(12例),遠肝性(56例)に分けられ,前者は膵頭・体部疾患による限局性門脈圧亢進症,後者は食道静脈瘤を伴った肝硬変,肝線維症に起因していた.遠肝性では上行性,下行性と種々の形態の副行路をみた.門脈系腎静脈系短路6例,Cruveilhier-Baumgarten症候群2例,十二指腸間膜静脈と結腸間膜静脈が下大静脈へぬける短路の各1例をPTPにて証明しえた.また門脈圧と食道静脈瘤の形態の関係は圧の上昇につれて静脈の拡張,蛇行がつよくなり色々の形態を示す傾向を示し,付随する上,下行性の小さな短絡の出現頻度が高くなっていた.出血例では,奇静脈は小さく造影剤の停滞時間が長かった.PTOは12例に行い,大きな短絡の存在に注意しながら行った.
索引用語
門脈圧亢進症, 副血行路, 経皮経肝的門脈造影, 食道静脈瘤
日消外会誌 16: 1328-1333, 1983
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|