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第16巻 第8号 1983年8月 [目次] [全文 ( PDF 858KB)]
特別寄稿

十二指腸潰瘍手術後の再発と胃酸分泌―迷切研究会加入35施設に対してなされたアンケート調査の結果から―

山岸 三木雄, 笠岡 千孝1), 山岸 健男2)

横浜市立大学外科名誉教授, 藤沢市民病院外科1), 国立横浜病院外科2)

 35施設において行われた過去平均8.5年間の4,184例の十二指腸潰瘍手術症例の再発は118例.再発率は2.8%であった.術式別では広範囲胃切除,迷切兼前庭部切除など胃切除を伴なう群では1%以下の再発率であったが,迷切兼ドレナージ術,選近迷切兼ドレナージ術,選近迷切などの迷切を主体とする術式では5.2~6.9%の再発率を示した.術後最大胃酸分泌量MAOの判明している1,873例の検討では4.0~5.9 mEq/hを境にして,MAO<3.9 mEq/hの再発率1%以下,<6.0 mEq/hでは12.2%と明らかな差を認めた.術式別でも同様の所見であり,4.0~5.9 mEq/h以下のMAOならば再発に対して安全領域にあると考えられたが,同じ安全領域の症例でも胃切を伴なう術式では再発率1%以下であるのに迷切主体群では2.8%と高い再発率であった.

索引用語
十二指腸潰瘍, 術後再発潰瘍, 胃酸分泌

日消外会誌 16: 1433-1443, 1983

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