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第16巻 第8号 1983年8月 [目次] [全文 ( PDF 434KB)]
原著

早期胃癌の術後愁訴に関する検討

谷 充, 高橋 俊雄, 木田 光一, 河野 研一

秋田大学第1外科

 早期胃癌242例の術後愁訴について,アンケート調査を行い,再建法,リンパ節郭清度と術後愁訴との関係などについて検討した.
 術後の消化器症状の発生頻度はB-I法,B-II法,胃全摘の各術式のあいだに有意の差は認められなかった.また,R1手術とR2手術との間にも術後愁訴の面では差異はなかった.
 B-I法,B-II法の間での特徴的な差異は術後イレウス症状の発生頻度で,B-II法が10.2%と,B-I法の3.4%に比べ,発生頻度が高く,非生理的吻合法に原因があるものと思われた.
 早期胃癌の手術では消化性潰瘍に比べ,手術侵襲が大きいにもかかわらず,術後愁訴においては諸家の消化性潰瘍手術の術後愁訴とほぼ同程度あるいはそれ以下の成績であった.

索引用語
胃切除後愁訴, 早期胃癌, 術後イレウス

日消外会誌 16: 1453-1457, 1983

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