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第16巻 第8号 1983年8月 [目次] [全文 ( PDF 719KB)]
原著

年齢層別にみた胃癌の特徴と予後

小澤 正則, 羽田 隆吉, 杉山 譲, 小野 慶一

弘前大学第2外科

 教室の胃癌手術806例を年齢層別の3群(若年者,壮年者,高年者)に区分し検討した.性別は若年者で女,壮・高年者では男が優位であり,好発部位は加齢につれてMよりAへと変化した.また年齢とともに腫瘍径は2 cm以下と10 cm以上のものが増加し,組織型では分化型が主体となった.高年者ではstage IVが若・壮年者に較べ減少するにもかかわらず,治癒切除率は低く胃全摘の採用も少なかった.この背景には他疾患併存率の上昇があり,高率な直死や術後5年以内の他病死も影響していた.しかし5生率では各年齢層に大差はなかった.以上より高年者では併存疾患のcontrolができ治癒切除の適応が拡大されれば予後はさらに改善するものと考えられた.

索引用語
若年者胃癌, 壮年者胃癌, 高年者胃癌, 胃癌予後, 胃癌手術例

日消外会誌 16: 1458-1464, 1983

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