原著
肝合併切除を行った胆道癌症例の検討―とくに胆嚢癌について―
守田 信義, 宮下 洋, 鳥枝 道雄, 平岡 博, 江里 健輔, 毛利 平
山口大学第1外科
過去4年8カ月間に当科で経験した胆道癌症例は32例で,これらの症例のうち肝切除を付加した症例は左右肝管癌5例,胆嚢癌8例の13例であった.胆嚢癌症例では6例がStage IVであったため,肝部分切除,肝区域切除,膵頭十二指腸切除の合併切除が行われ,術後早期に肝不全,心不全でそれぞれ1例ずつ死亡した.胆管癌には肝門部切除が行われたが,これらの予後は良好であり,減黄効果の意味からも切断端に癌遺残を認めても積極的に切除すべきと考える.
索引用語
胆嚢癌, 左右肝管癌, 腹腔動脈造影, 肝楔状切除, 肝区域切除
日消外会誌 16: 1494-1500, 1983
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