原著
ラットおよびヌードマウスにおけるlocal graft versus host reactionを利用した細胞性免疫能の検討
寺部 啓介, 小島 崇司, 亀井 秀雄, 近藤 達平
名古屋大学医学部第2外科教室
集学的癌治療の一部として免疫療法が普及してきた.免疫療法を施行するには常に担癌患者の免疫能を把握する必要がある.著者はラットおよびヌードマウスを使用してlocal graft versus host reaction(local GVHR)を測定して担癌患者の細胞性免疫能を測定した.方法はラットの腹部皮内,ヌードマウスの背部皮内に,ヒトリンパ球を注射し,5日後の硬結(local GVHR)により,非特異的免疫能を測定し以下の結果を得た.(1)ヌードマウスを使用したlocal GVHRはラットを使用したlocal GVHRに比し簡便で再現性の高い成績が得られた.(2)local GVHRとPHA,PPD皮内反応との相関性を検討すると,良性疾患では高い相関性が得られたが担癌患者では相関性の低下が認められた.
索引用語
local graft versus host reaction, 細胞性免疫能, 免疫抑制因子, 免疫療法
日消外会誌 16: 1529-1538, 1983
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|