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第16巻 第9号 1983年9月 [目次] [全文 ( PDF 719KB)]
原著

食道癌の癌先進部におけるリンパ球浸潤の臨床的検討

塩崎 均, 水谷 澄夫, 岡川 和弘, 上野 和寿, 韓 成珍, 小林 研二, 神前 五郎

大阪大学医学部第2外科

 食道癌の癌先進部周辺にみられるリンパ球浸潤の程度が,術後の予後・再発形式・性別とどのような関係にあるかを検討した.対象は昭和44年1月から昭和56年12月の間に教室で切除された食道癌症例のうち,治癒切除が行なわれた108例である.リンパ球浸潤の程度を±~+++の4段階に分類した.+++群の累積5年生存率は57.3%であり治癒切除例のそれの34.3%に比べ非常に良好であった.再発形式との関係では,±群は全例が血行性再発死亡であったが+++群では14.3%にすぎず,リンパ行性再発が71.4%を占めた.また性別では,リンパ球浸潤の多い(++,+++)群が男性では42.3%,女性では71.0%を占め,この点からも女性の予後の良好なことが示唆された.

索引用語
食道癌, 癌先進部リンパ球浸潤, 食道癌再発形式, 食道癌性差, 食道癌予後

日消外会誌 16: 1615-1621, 1983

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