原著
膵頭十二指腸切除術後の,消化管再建法と消化吸収機能に関する実験的研究
八木 雅夫
金沢大学大学院医学研究科外科学第2講座(指導:宮崎逸夫教授)
膵頭十二指腸切除術後の消化管再建法として,食餌が膵液・胆汁の排出口を通過する胃空腸吻合法(I法)と通過しない吻合法(II法)の術後消化吸収機能を,イヌを用いて検討した.術後24週の131ITriolein便中排泄率とD-xylose尿中排泄値は,I法(I群,n=5)では7.0±3.3%,2.28±0.14 gと,II法(II群,n=5)の,13.0±3.9%,1.92±0.15 gより有意に良好であり,また,拡大郭清膵頭十二指腸切除術に準じた上腸間膜動脈根部リンパ節郭清下でもI法(I+SMA群,n=4)は19.2±4.2%,1.12±0.17 gとII法(II+SMA群,n=4)の29.2±3.5%,0.77±0.15 gより有意に良好であったことから,I法の術後消化吸収機能は,腸性吸収能において,II法より優れていることが判明した.
索引用語
膵頭十二指腸切除術, 消化管再建法, 消化吸収機能
日消外会誌 16: 1699-1708, 1983
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|