原著
食道癌に対する速中性子線術前合併療法の効果―組織学的効果について―
石川 達雄
千葉大学医学部第2外科教室(指導:佐藤 博教授)
食道癌に対する新たな術前合併療法として33例の食道癌症例に速中性子線による術前照射を行い,切除標本を病理組織学的に検索して連中性子線術前照射の組織学的効果を検討し次の結果を得た.速中性子線術前照射の組織学的効果はEf2が45.3%,Ef3が27.3%の症例に得られ従来の放射線による術前照射と比較してより高い効果が得られた.さらに原発巣の所見別に組織学的効果を検討し速中性子線は従来の放射線と較べてX線所見では鋸歯型,らせん型,ロート型の症例,病理組織学的所見ではa2a3症例,組織学的分化度の高い症例にも有効であることが認められた.したがって速中性子線治療は食道癌に対する有用な治療法であると思われる.
索引用語
食道癌, 術前照射, 速中性子線治療
日消外会誌 16: 1738-1746, 1983
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|