原著
胃癌リンパ節転移個数の臨床病理学的検討―とくに他の予後規定因子との関連について―
加辺 純雄*, 大森 幸夫**, 本田 一郎**, 武藤 輝一***, 岩佐 博*
防衛医科大学第1外科*, 千葉県がんセンター消化器科**, 新潟大学医学部第1外科***
深達度mの癌を除き治癒切除が施行された胃癌338例,附属リンパ節10,134個(1例平均30.0個)につき検討した.転移リンパ節個数別の5生率は,0個群73.0%,1~5個群44.9%,6~10個群24.1%,11個以上群15.9%であり,個数の増加にしたがい予後は悪化した.さらに転移リンパ節個数の増加につれ,n番号は上昇し,sinus histiocytosisは減少し,間質リンパ球浸潤は減少し,浸潤型であるボールマン3型,4型が増加し,stageも上昇するといったように,転移リンパ節個数と他の予後規定因子との間に相関関係を認めた.以上より転移リンパ節個数による定量的検討方法は優秀な胃癌予後規定因子であり,胃癌の生物学的特性をよく表現するものと思われる.
索引用語
胃癌転移リンパ節個数, 胃癌予後規定因子, 胃癌治癒切除
日消外会誌 16: 1766-1771, 1983
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