原著
早期胃癌および早期胃癌類似進行癌の組織型とその臨床病理学的特徴―とくにリンパ節転移とリンパ管侵襲―
宮本 徳廣, 小川 道雄, 岡川 和弘, 小川 嘉誉, 藤本 二郎, 川崎 勝弘, 水谷 澄夫, 藤山 武雄, 城戸 良弘, 塩崎 均, 神前 五郎
大阪大学第2外科
私達は早期胃癌162例とそれに準ずる早期胃癌類似進行癌62例,計224例を高分化型癌と低分化型癌およびその混合型癌の3つに大別し,その臨床病理学的に検討を行った.高分化型癌は男性,高齢に,I型,IIa型の隆起型に,AおよびCの領域に多い.一方低分化型癌は女性,若年者に,IIcでMの領域に多かった.リンパ節転移率およびリンパ管侵襲陽性群で,m癌を除けば高分化型癌では,それぞれ22.6%,58.2%,混合型癌では51.4%,56.4%であったのに比べ,低分化型癌は8.9%,28.1%であり非常に低値であった.混合症例で低分化型が優勢であったリンパ節転移率とリンパ管侵襲陽性率は57.8%,40%で,単独の低分化型癌と相違する.
索引用語
早期胃癌, 早期胃癌類似進行癌, 胃癌の組織型, 胃癌リンパ節転移, 胃癌リンパ管侵襲
日消外会誌 16: 1772-1777, 1983
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|