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第16巻 第10号 1983年10月 [目次] [全文 ( PDF 592KB)]
原著

肝切除不能症例に対する経皮経肝的抗癌剤投与の基礎的研究

中本 実, 高橋 恒夫, 井出 哲也, 森永 泰良, 成瀬 勝, 高橋 正人, 加藤 信夫, 三穂 乙実, 長尾 房大

東京慈恵会医科大学第2外科

 肝切除不能肝癌症例に対して間歇的に,経皮経肝的による直接抗癌剤の局注を肝癌周囲に投与してはと考え,ラットを使用し,その肝に対する組織学的変化の影響と,ならびに抗癌剤の肝組織中および血中の時間的推移を検討した.使用した抗癌剤は5 FUとTegafulであるが,組織中の濃度はTegafulでは24時間,5 FUでは4時間まで,約0.5 mcg/gを保つことが出来たが,血中ではTegafulは6時間,5 FUでは2時間まで約0.4 mcg/mlを維持出来た.Transaminaseの異常は両者とも大した差はなく,72時間で投与前に近似した値を呈した.
 組織学的に見ると,穿刺注入部周囲への影響は,穿刺直後は出血が主であるが,3時間後になると,円形細胞浸潤が出現し,中心静脈域のanoxic changeがあり,6時間目には抗癌剤の投与部と非投与部の境界が鮮明となり,その区域には2核を有する細胞が多数出現,48時間になるとfibrinの析出が著明となってきた.抗癌剤投与部の影響は穿刺部位からの細胞層から見ると,5 FUの影響がやや強いように感じられた.
 以上のように,肝局注による抗癌剤の影響は一過性であり,抗癌剤の組織中停滞率も期待出来,臨床的に大いに応用出来ると考えられた.

索引用語
肝切除不能肝癌, 経皮経肝的抗癌剤局注, 5 FU, Tegaful

日消外会誌 16: 1778-1782, 1983

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