原著
肝門部胆管癌に対する補助照射療法の意義―術後密封137Cs管による胆管腔内照射の効果―
伊藤 博, 阿部 要一, 鈴木 修一郎, 桐山 誠一, 櫛淵 統一, 藤田 敏雄, 藤巻 雅夫
富山医科薬科大学第2外科
過去3年半の間に扱った肝門部胆管癌11例の治療成績を分析し,切除後の補助療法の必要性を中心に検討した.11例中5例に切除を行ったが,全例で肝合併切除が必要であった.切除例5例中3例が肝不全や早期再発で死亡した.他の2例に対し,術後密封137Cs管をsplint catheterを介して胆管断端に挿入し,3500~7600 radの胆管腔内照射を併用したところ,それぞれ1年7カ月および1年4カ月経過した現在健在で職場復帰しており,補助療法としての有用性を認めた.なお,非切除6例中4例に体外照射や開創照射を行ったが,著効例はなかった.
索引用語
肝門部胆管癌, 経皮経肝胆道造影, 肝切除, 癌補助療法, 開創照射
日消外会誌 16: 1783-1789, 1983
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