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第16巻 第10号 1983年10月 [目次] [全文 ( PDF 462KB)]
原著

大腸癌症例の便中細菌叢

久保 章, 川本 勝, 石黒 直樹, 杉田 昭, 仲野 明, 大見 良裕, 辻仲 康伸, 福島 恒男, 土屋 周二

横浜市立大学第2外科

 大腸進行癌55症例について,腫瘍占拠部位,出血,狭窄症状の有無などにわけて便中細菌叢を検索した.対照群と比較して本症では,総菌数,嫌気性菌数の有意の減少が認められたが,好気性菌については変動は認められなかった.嫌気性菌のなかでは,Clostridium perfringensのみが直腸癌症例で有意に増加していた.腫瘍の占居部位,出血の有無による細菌叢の変動は認められなかった.
 本症例における便中総菌数,嫌気性菌数の減少は,疫学的に明らかにされているdietary fiberの減少による酸化・還元電位の増加,腸管内環境の変化などによるものと考えられた.

索引用語
大腸癌, 便中細菌叢, 嫌気性菌

日消外会誌 16: 1795-1799, 1983

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