原著
胃癌患者の血清acid soluble glycoproteins(ASP)に関する臨床的検討
生越 喬二, 近藤 泰理, 中崎 久雄, 田島 知郎, 三富 利夫
東海大学第2外科
過塩素酸に可溶性を示す血清ムコ蛋白(acid soluble glycoproteins:ASP)を胃癌82例で測定し,48例では,細胞性免疫能,α1-アンチキモトリプシン(α1・ACT),immunosuppressive acidic glycoprotein(IAP),immunosuppressive substance(IS物質),sialic acidとともにその臨床的意義を検討した.血清ASP値は組織学的進行程度stage 2でもっとも低値を示し,臨床病期の進行とともに高値を示した.組織型別では,印環細胞癌がもっとも低値を示し,stage 4では中等度分化型管状腺癌との間で有意の差が認められた.血清ASP値と,血清IAP,IS物質,α1-ACT,sialic acid値との相関で臨床病期によっては,相関関係の逆転,喪失が認められ,癌の病態により少しずつ異なる分子量の蛋白の合成などが考えられた.
索引用語
acid soluble glycoproteins(ASP), 胃癌の病態生理, acute phase reactant proteins
日消外会誌 16: 1904-1909, 1983
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