原著
肝細胞癌におけるスマンクス/リピオドールの肝動脈内投与後の超音波像の臨床的意義
渡辺 栄二, 水谷 純一, 今野 俊光, 平岡 武久, 田代 征記, 宮内 好正, 前田 浩*, 横山 育三**
熊本大学医学部第1外科学教室, *同 微生物学教室, **鐘紡病院
肝細胞癌21例に対してスマンクス/リピオドールの肝動脈内投与を行い,投与後の超音波像について検討した.(1)投与後全例に斑点状,点状ないし線状の高エコーが散在性,部分的ないしびまん性にみられ,この高エコーは腹部単純X-P像,切除標本のsoftex写真でスマンクス/リピオドールの停滞部と一致していた.(2)投与後低エコーまたは無エコーと変化した症例のうち,切除例の切除標本と対比した結果,低エコーまたは無エコーは出血,液状壊死と一致していた.(3)投与後ほとんどの症例が腫瘍の境界は明瞭となった.
索引用語
肝細胞癌, 油性制癌剤, スマンクス/リピオドール, 肝動脈内動注療法
日消外会誌 16: 1918-1924, 1983
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