原著
大腸早期癌の検討―とくに治療方針について―
加藤 知行, 森本 剛史, 山村 義孝, 安江 満悟, 高木 弘, 紀藤 毅, 加藤 王千, 中里 博昭, 宮石 成一, 山田 栄吉
愛知県がんセンター外科第3部
1965~1980年迄の大腸早期癌外科的切除例76病変(m 29,sm 47)について検討した.これらの肉眼型をIp,Ips,Is,IIa,IIa+IIc,ポリープ集簇型,villous型に分類し,大きさも加味して検討したが術前にその深達度を適確に診断することはむつかしいと思われた.
m癌の治療は内視鏡的ポリペクトミーか局所切除でよく,その局所再発例に対しても局所切除をfirst choiceとしてよい.sm癌のリンパ節転移は4例あり,肉眼型はIs 1,IIa+IIc 2,ポリープ集簇型1例,再発死亡は4例でIIa+IIc 1,villous 1,ポリープ集簇型2例である.sm癌の治療は,どの肉眼型のものにもリンパ節転移や再発死亡の危険性があり根治手術が望ましい.
索引用語
大腸早期癌, 大腸早期癌の診断, 大腸早期癌の治療
日消外会誌 16: 1968-1975, 1983
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