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第16巻 第12号 1983年12月 [目次] [全文 ( PDF 1006KB)]
原著

肝癌の超音波診断に関する臨床的研究―エコーパターンと病理学的比較検討―

稲吉 厚

熊本大学第1外科(指導:宮内好正教授)

 肝細胞癌51例,胆管細胞癌2例および転移性肝癌34例の超音波断層像を検討し,それらのエコーパターンを,びまん型と結節型に大別し,結節型をさらに高エコー型,正エコー型,低エコー型,混合型に細分類した.肝細胞癌のエコーパターンは,肝硬変合併の有無にかかわらず,腫瘤内変性壊死と関連がみられ,腫瘤内に変性壊死のないものは低エコー型または正エコー型を示し,腫瘤内に非融解壊死部と非壊死部が混在しているものは混合型を示し,腫瘤の大部分が非融解壊死に陥ったものは正エコー型または高エコー型を示した.また,肝細胞癌の被膜エコーは,被膜の厚さが1 mm以上あるものに検出され,低エコー帯として検出された.

索引用語
肝癌の超音波診断, 肝細胞癌, 肝硬変, 超音波検査

日消外会誌 16: 2088-2097, 1983

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