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第17巻 第1号 1984年1月 [目次] [全文 ( PDF 453KB)]
原著

胸部食道癌におけるリンパ節転移と手術成績について

藤田 秀春, 能登 啓文, 野手 雅幸, 草島 義徳, 大戸 司, 田中 茂弘, 片山 寛次, 宮崎 逸夫

金沢大学第2外科

 昭和48年より58年3月までに教室で経験した食道扁平上皮癌108例のうち,49例の胸部食道癌切除再建症例について検討した.手術死亡は3例(6.1%)であった.このうちリンパ節転移を認めたのは67.4%で,n2(+)は23.9%,n3以上(+)は39.1%であるのに対し,n1(+)例は4.3%とごく少数であった.胸腔内転移では(106),(108)など中部から上縦隔にかけての転移が多く,腹腔内ではほとんどが(1),(2),(3),(7)への転移であった.全体の累積生存率では1年71.8%,3年50.0%,5年28.6%であったがc 0症例を除いた場合5年生存率は36.4%と比較的良好で,st IVにおいても28.6%の5年生存が得られた.n因子に関する検討ではn(-)例の1年生存83.3%,3年生存77.8%,4年生存66.7%と良好であった.一方n(+)例では1年生存では84.2%と差異を認めなかったが,3年生存55.0%,4年生存33.0%と漸減した.しかし生存率の低下は比較的ゆるやかで,リンパ節郭清による延命効果が示唆された.st分類は治療成績とよく相関していたが,c I~c IIIの間には一定の傾向が認められなかった.切除度Rと予後の関係は顕著で,R2とR3の生存率を比較すると1年生存でそれぞれ66.7%,94.7%,4年生存でそれぞれ12.5%,87.5%となり,広範囲のリンパ節郭清が治療成績の向上につながるものと考えられた.

索引用語
胸部食道癌, 食道癌のリンパ節転移, 食道癌リンパ節郭清

日消外会誌 17: 1-5, 1984

別刷請求先
藤田 秀春 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科

受理年月日
1983年10月18日

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