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第17巻 第1号 1984年1月 [目次] [全文 ( PDF 1032KB)]
原著

残胃の癌の検討―自験28例を中心としての考察―

曽和 融生, 加藤 保之, 大北 日吉, 須加野 誠治, 紙野 建人, 梅山 馨

大阪市立大学第1外科

 残胃の癌切除例を初回手術時良性疾患(良性群)であった16例と,初回悪性疾患(悪性群)の12例について,臨床的病理組織学的に検討した.両群とも男性に,初回手術ではB II法が多く,再手術までの平均期間ではそれぞれ18.4年,3.5年と良性群に長かった.再手術時所見では両群とも進行例が,病理組織所見では未分化型癌,ly因子陽性,INFγ例が多かった.したがって予後はわるく,5年以上生存は初回良性群の2例のみで,再発死亡例の平均生存期間はそれぞれ14.6カ月,6.7カ月であった.病巣周囲粘膜の腸上皮化生の程度は悪性群にその頻度が高かった.以上の自験例を中心に,残胃の癌について若干の文献的考察を加えた.

索引用語
残胃初発癌, 残胃癌

日消外会誌 17: 15-23, 1984

別刷請求先
曽和 融生 〒545 大阪市阿倍野区旭町1-5-7 大阪市立大学医学部第1外科

受理年月日
1983年10月18日

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