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第17巻 第1号 1984年1月 [目次] [全文 ( PDF 717KB)]
原著

グルカゴンとアミノフィリン投与時の胆汁分泌とc-AMPの関連についての実験的研究

小林 敏幸

岡山大学第1外科

 雑種成犬を用いてglucagonとaminophylline投与後の胆汁分泌とcyclic AMP(以下c-AMP)の関係について検討した.正常犬ではglucagonとaminophyllineは血中c-AMPの上昇と利胆作用を有した.両物質は胆汁中のNa,Kの排出と水分量の増加作用を示したが,胆汁酸の分泌増加は認められず,胆汁酸非依存性分画に作用すると考えられた.閉塞性黄疸初期には胆汁流量の増加がみられたが後期では減少した.閉塞性黄疸時にもglucagon投与により血中c-AMPはよく反応したが,胆汁流量は増加しなかった閉塞性黄疸が進行するとglucagonに対する血糖値やIRIの反応も低下し肝機能障害のみならず膵内分泌機能も低下すると推測された.

索引用語
cyclic AMPと黄疸, glucagon, aminophylline, 胆汁酸非依存性分画

日消外会誌 17: 60-68, 1984

別刷請求先
小林 敏幸 〒721 福山市蔵王町3692 福山市市民病院外科

受理年月日
1983年10月18日

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