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第17巻 第1号 1984年1月 [目次] [全文 ( PDF 324KB)]
原著

Shizophyllanによる癌免疫療法と血清リゾチーム活性について

伊藤 久, 八木田 旭邦, 渡辺 寧, 加賀 文貴, 内山 周也, 小野 美貴子, 北島 政樹, 立川 勲, 相馬 智

杏林大学第1外科

 Shizophyllan(以下SPG)は,担子菌(スエヒロタケ)の培養濾液より分離された抗腫瘍効果を示す多糖類である.SPGは,マクロファージのラインゾームを膨化し腫瘍細胞に密に接する.われわれはこのマクロファージの活性がライソゾーム酵素の活性と密接な関係にあるものと考え,リゾチームを臨床的に測定した.SPG投与は,胃癌の根治手術例のみを対象とした.SPG投与例10例の血清リゾチーム値は,43.0±7.8 γ/ml,SPG非投与例10例の血清リゾチーム値は,34.9±4.9 γ/ml,とSPG投与例は非投与例に比べて有意に高値であった(p<0.05),SPGの総投与量と血清リゾチーム値との相関は見い出せなかった.血清リゾチーム値は,生体の免疫活性,特にマクロファージの活性を反映する可能性が示唆された.

索引用語
癌免疫療法, リゾチーム, マクロファージ, Shizophyllan

日消外会誌 17: 81-84, 1984

別刷請求先
伊藤 久 〒181 三鷹市新川6-20-2 杏林大学医学部第1外科

受理年月日
1983年10月18日

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