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第17巻 第2号 1984年2月 [目次] [全文 ( PDF 852KB)]
原著

迷走神経肝枝および腹腔枝切離の胆汁および胆汁酸の組成に及ぼす影響に関する実験的研究

江口 信雄

山口大学医学部外科学教室第2講座(指導:石上浩一教授)

 イヌに迷走神経肝枝切離術,腹腔枝切離術,肝枝および腹腔枝切離術を施行し,術後4カ月までの胆嚢胆汁を採取し,それぞれの胆汁組成に及ぼす影響を検討した.肝枝切離群,肝枝および腹腔枝切離群では従来の報告のように胆汁の催石性変化を確認したが,さらに腹腔枝切離のみでも総胆汁酸/コレステロール比の減少,リン脂質/コレステロール比の減少,そのほかの催石性変化が生じることが判明した.また実験終了後の胆嚢内に,各群の約半数に結石を生じた.迷走神経腹腔枝切離群のこのような催石性の変化は腸管での胆汁酸の再吸収過程の変化に起因するものと推測された.上部消化管の手術に際してはこれら迷走神経各枝の保存に留意すべきである.

索引用語
迷走神経切離, 胆汁組成, 胆石

日消外会誌 17: 174-182, 1984

別刷請求先
江口 信雄 〒755 宇都市西区小串1144山口大学医学部第2外科

受理年月日
1983年7月13日

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