会長講演
運動機能からみた胃の手術
白鳥 常男
奈良県立医科大学第1外科
まず胃の正常な場合の運動において部位により運動の性質に違いがあること,迷走神経切離を加えた時には胃運動の減弱とアトニーを来すこと,また横切離を加えた時には横切離下部に蠕動運動の亢進が起こり,その亢進の起こる度合は横切離する部位によって異なることなどを解明した.この正常,迷切,横切離の三つの場合の観点から,近側胃切除術の問題点を指摘し,分節的胃切除術における幽門洞枝温存と幽門筋切離術との比較を行い,幽門保存胃切除術,幽門保存胃亜全摘兼有茎空腸移植術を開発し,さらに選近迷切はどの程度生理的かなどの成績を述べた.
索引用語
幽門痙攣, 幽門保存胃切除術, 幽門保存胃亜全摘術兼有茎空腸移植術, 胃筋電図, 胃内容排出曲線
別刷請求先
白鳥 常男 〒634 橿原市四条町840 奈良県立医科大学第1外科
受理年月日
1983年11月9日
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