早期胃癌の遠隔成績

鈴木　秀, 奥井　勝二

千葉大学医学部第1外科

　千葉大学医学部第1外科にて入院手術施行された単発早期胃癌219例の遠隔成績を10年までの相対生存率曲線により検討した．対象例の5年生存率は，97.8％，10年生存率は90.7％であった．肉眼型・占居部位・大きさ・郭清度・深達度．組織型・組織学的リンパ節転移の7つの要因について，おのおの2～3群に分け生存率を比較検討し，生存率に有意の差があったのは，組織型であった．組織型では，低分化型群は分化型群に比べ生存率は良好であった（p＜0.05）．深達度別に検討すると，粘膜下層に及ぶ癌で，隆起型，分化型，リンパ節転移を有する症例に生存率の低い傾向がみられた．

索引用語
早期胃癌の遠隔成績

別刷請求先
鈴木　秀　〒280　千葉市亥鼻1-8-1　千葉大学医学部第1外科

受理年月日
1983年12月14日

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