原著
肝内結石症と肝内胆管癌の合併例の検討
山本 賢輔, 土屋 凉一, 伊藤 俊哉, 原田 昇, 吉野 りょう三, 角田 司, 野田 剛稔, 井沢 邦英, 山口 孝, 織部 孝史, 元島 幸一, 冨岡 勉, 千葉 憲哉, 古賀 政隆, 松本 光之
長崎大学第2外科
過去13年間に長崎大学第2外科において肝内結石症と肝内胆管癌の合併を10例経験した.これは同期間のすべての肝内結石症の8.6%に相当する頻度であり,胆嚢結石を有するすべての症例に占める胆嚢癌の合併頻度2.7%よりも高い値であった.肝内結石症と肝内胆管癌の合併は偶然の結果ではなく相互の間に密接な因果関係の存在することが推測された.これら合併例は40歳以後にみられ,年齢とともに増加傾向を示しとくに60歳以上の高齢者の肝内結石症においては肝内胆管癌合併率が17%と異常に高いことが判明した.その診断にあたっては通常の画像診断法では困難な症例が多く.胆汁細胞診やCEAの検索が有力な補助的診断法であると考えられた.
索引用語
胆石合併胆道癌, 肝内結石症, 肝内胆管癌, 胆管上皮過形成
別刷請求先
山本 賢輔 〒852 長崎市坂本町7-1 長崎大学医学部第2外科
受理年月日
1983年11月9日
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