原著
小腸悪性腫瘍の臨床病理学的検討―肉眼分類とX線所見を中心として―
中神 一人
名古屋大学医学部外科学第1講座(指導:弥政洋太郎教授)
乳頭部領域を除く十二指腸,および空,回腸悪性腫瘍(以下小陽悪性腫瘍)50例のうち本邦で発生頻度の高い癌,平滑筋肉腫,悪性リンパ腫症例48例を対象に,術前の性状診断の向上を目的として臨床病理学的検討を行った.まず各組織型について,病理組織構築所見に裏付けられた一定の基準に従って,X線診断の基となるべき,著者独自の肉眼分類を試みた.次いでX線検査の施行された症例についてはそのX線所見を検討し,肉眼分類との対比を併せて行った.それによると各組織型とも肉眼形態上の特徴を忠実にX線写真上に描出すれば,小腸悪性腫瘍の術前の性状診断の可能性はかなり高く期待しうると考えられた.
索引用語
小腸悪性腫瘍, 癌, 平滑筋肉腫, 悪性リンパ腫, 小腸X線診断
別刷請求先
中神 一人 〒491 一宮市大和町苅安賀2135 愛知県立尾張病院外科
受理年月日
1983年11月9日
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