原著
胃癌と免疫複合体
尾崎 行男, 池田 芳明, 水沢 清昭, 小田 正之, 狩野 卓夫, 山根 歳章, 浜副 隆一, 金山 博友, 清水 法男, 前田 迪郎, 古賀 成昌
鳥取大学第1外科
3.5%PEG沈殿法により胃癌患者70例の血中immune complex(IC)の測定を行い,ほかの免疫パラメーターとの相関,およびin vitroでのリンパ球幼若化反応に及ぼす影響について検討した.胃癌患者のIC値は進行度が進むに従がい増加し,健常人(0.479±0.06,n=20)に比べstage III(0.563±0.115,n=17),stage IV(0.569±0.111,n=17),再発例(0.609±0.095,n=6)では有意にIC値は高値を示した(p<0.01).健常人のPHAリンパ球幼若化反応は胃癌患者血清より得られた3.5%PEG沈殿ICを添加することにより強く抑制され,蛋白量との間に負の相関関係を認めた(r=-0.714,n=13).以上のことより癌患者の血中IC測定は担癌宿主の病態を把握する上に有用と考えられた.
索引用語
胃癌, 血清免疫抑制困子, 免疫複合体
別刷請求先
尾崎 行男 〒683 米子市西町36-1 鳥取大学医学部第1外科
受理年月日
1983年12月14日
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