原著
胃癌手術時の腹腔内洗浄液の細胞診所見と予後
平岡 博, 森田 耕一郎, 中原 泰生, 守田 信義, 宮下 洋, 鳥枝 道雄, 江里 健輔, 毛利 平, 平岡 芙美子1)
山口大学第1外科, 同 臨床検査部外科病理1)
胃癌手術症例に,術中腹腔内洗浄細胞診(以下術中細胞診と略す)を施行した.細胞診陽性率は,肉限的腹膜播種,腹水の有無,胃壁深達度および癌腫の大きさに強い関連を認めた.肉眼的腹膜播種陰性例25例中3例に細胞診陽性例を認め,潜在性の播種あるいは腹腔内癌細胞の存在を強く疑わせた.
Stage IV症例では,細胞診陰性群,陽性群間で,累積生存率に明らかな差を認めた.また非治療切除ながら,細胞診陰性例中には,比較的長期間の生存例を認めた.
索引用語
胃癌, 術中腹腔内細胞診
別刷請求先
平岡 博 〒755 宇都市小串1144 山口大学医学部第1外科
受理年月日
1984年1月11日
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