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第17巻 第4号 1984年4月 [目次] [全文 ( PDF 653KB)]
原著

消化器癌におけるtissue polypeptide antigenに関する検討

野水 整, 渡辺 岩雄, 中條 明夫, 遠藤 辰一郎

福島県立医科大学第2外科

 Tissue Polypeptide Antigen(TPA)の消化器癌における腫瘍マーカーとしての意義を検討した.対象は胃癌48例,大腸癌25例を中心に消化器癌85例,消化器良性疾患26例,健常人15例である.各消化器癌におけるTPAの平均値および陽性率は対照健常人および良性疾患群に比べ高く,消化器癌のスクリーニングとして有用であった.胃癌ではTPAはstageと平行関係を有し癌の進展に関係することが示され,Carcinoembryonic Antigen(CEA)あるいはImmunosuppressive Acidic Protein(IAP)との相関が認められた.また手術前後では術後は明らかにTPA値の減少を認め,再発進行例では適確にその予後を反映し,治療効果,予後判定のパラメーターとしても有用であった.

索引用語
Tissue Polypeptide Antigen(TPA), 腫瘍マーカー, 胃癌, 大腸癌

日消外会誌 17: 719-728, 1984

別刷請求先
野水 整 〒960 福島市杉妻町4-45 福島県立医科大学第2外科

受理年月日
1984年1月11日

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