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第17巻 第4号 1984年4月 [目次] [全文 ( PDF 762KB)]
原著

結腸癌のリンパ節転移様式の検討

高島 茂樹, 関野 秀継, 桐山 正人, 冨田 富士夫, 小坂 健夫, 上野 桂一, 上村 卓良, 片山 外一, 山口 明夫, 喜多 一郎, 小森 和俊, 米村 豊, 宮崎 逸夫, 三輪 晃一1)

金沢大学医学部第2外科, 福井医科大学第1外科1)

 肉眼的に根治切除と判定された結腸癌94例を対象にそのリンパ節マップの検索から結腸癌のリンパ節転移様式を検討した.採取リンパ節総数は4,070個,平均43.3個で,転移率は46.8%,転移度は4.2%であった.群別リンパ節の転移率ならびに転移度は癌腫近傍の結腸壁在および傍結腸リンパ節の転移率42.6%,転移度11.7%を最高に,中枢側方向では中間リンパ節がおのおの22.3%,7.4%,主リンパ節が4.3%,2.1%を示し,腸管軸方向では口側5 cm以内がそれぞれ10.5%,4.4%,肛門側5 cm以内が4.3%,2.3%であった.腸管軸方向転移の拡がりはn4の一例を除き口側は10 cm,肛門側は5 cmまでに限られた.以上より転移方向として中枢側が腸管軸方向に比し優位を占め,しかも腸管軸方向では口側が肛門側より優勢であることが示唆された.

索引用語
結腸癌リンパ節転移率, 結腸癌リンパ節転移度, 結腸癌リンパ節転移様式

日消外会誌 17: 763-770, 1984

別刷請求先
高島 茂樹 〒920 金沢市宝町13-1 金沢大学医学部第2外科

受理年月日
1983年12月14日

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