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第17巻 第4号 1984年4月 [目次] [全文 ( PDF 760KB)]
原著

直腸癌の予後判定因子に関する研究―判別的数量化理論による分析―

若林 孝幸

東邦大学第1外科(指導:亀谷 寿彦教授)

 直腸癌の予後判定因子を明らかにするために,70歳末満の切除症例111例について,質的データ解析の数量化理論により分析した.判別分析の数量化理論により,I)5年末満死亡群,II)5年以上生存群への弁別を行い,予後判定に寄与する因子と,その臨床的意義について検討した.結果として,要因的には深達度が最も重要で,以下ly,n因子などが重要であることがわかった.判別的中率は84.7%と両群への弁別が良好に行われた.
 以上より,手術時に得られた定性的な因子の予後に寄与する大きさが,「重み」として数量で求められ,予後の判定が多くの因子を総合した観点から,定量的に行えることが示唆された.

索引用語
直腸癌の予後判定因子, 壁深達度, リンパ管侵襲, リンパ節転移, 判別的数量化理論

日消外会誌 17: 771-778, 1984

別刷請求先
若林 孝幸 〒143 大田区大森西6-11-1 東邦大学医学部第1外科

受理年月日
1984年1月11日

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