原著
表層拡大型早期胃癌よりみた胃癌の発育進展
熊谷 一秀, 中津 基貴, 劉 星漢, 前川 勝治郎, 卜部 元道, 林田 康男, 城所 仂
順天堂大学第1外科
中間帯領域陥凹性早期胃癌の発育進展を検討するため,教室の陥凹性表層拡大型早期胃癌63例を対象として主に腺領域別に検討し以下の結果を得た.1)陥凹性表層拡大型早期胃癌の占居腺領域は63例中42例(67%)が中間帯領域であった.2)中間帯領域に占居する陥凹性表層拡大型早期胃癌は1例を除いてF-lineと交叉するものは認めなかった.3)未分化型腺癌の中間帯領域表層拡大型早期胃癌の中間帯の巾は癌巣の拡がりに相関して広いものが多かった.
以上の結果より,中間帯領域の未分化型腺癌症例陥凹性表層拡大型早期胃癌は,比較的広い拡がりを持つ中間帯に多中心性に発癌したものが融合したものと推測された.
索引用語
早期胃癌, 表層拡大型早期胃癌, 胃癌の発育形式
別刷請求先
熊谷 一秀 〒113 東京都文京区本郷2-1-1 順天堂大学医学部第1外科
受理年月日
1984年3月14日
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