原著
最近5年間の胃癌手術症例における年齢,性別にみられる進行度の特徴
片岡 誠, 榊原 一基, 小林 端, 本多 英邦, 安藤 重満, 堀田 哲夫, 住田 紀夫, 丹羽 伝, 鈴木 正臣, 原 臣平, 古田 吉行, 正岡 昭
名古屋市立大学第2外科学教室
胃癌手術症例をStage,手術根治度および絶対非治癒切除または開腹非切除例につき性別,年齢別に検討を加えた.手術例数は885例,男性65.5%,女性34.5%からなる.手術例に対する治癒切除例の比は男性68.2%,女性56.6%で,絶対非治癒切除は男性24.2%,女性36.2%であった.治癒切除率は男性では41歳から70歳までの各層でほぼ70%を得ているが,71歳以上80歳では51.8%に止っている.絶対非治癒切除と開腹非切除となった原因は腹膜転移,奨膜浸潤,肝転移,リンパ節転移の順に見られ,肝転移は高齢男性に多く,腹膜転移は若年者に多く見られ,とくに女性例で高率であった.
索引用語
胃癌手術, 胃癌性別進行度, 胃癌治癒切除率, 胃癌転移形式
別刷請求先
片岡 誠 〒467 名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1番地 名古屋市立大学医学部第2外科
受理年月日
1984年2月15日
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